「ビー・ヒア・ナウ」17

虚構の稽古場Blog /ビー・ヒア・ナウ 2014年6月30日

小沢道成です。
昨日は稽古場で、とある撮影を。

飛びます。
ワイヤーアクションというやつですね。
マトリックスのようなハリウッド映画に憧れ、やっと実現しました。
嘘です。
そんなことが出来るなら、キジムナーの時にやってます。いや、やりたかった。

さて、映画監督としての深作さん、カメラを持った瞬間に少年のようになりました。
そしてスタートの掛け声が「よ~いの、ほい」という実に気の抜けるいい感じの始まり。
稽古の時も、大抵この声が聞こえてきます。
何事も勢い100%だけじゃなく、余分な力を抜くことが大事だということなのでしょう。
どれだけ気合いを入れても、この掛け声がかかると、力が抜けます。

深作さんは昨日、
「稽古場で必要なことは、定着させることでもなく、段取りがうまく出来るようになることでもなく、生み続けることなんだ」とおっしゃいました。
映画と舞台の違いが僕は分かりませんが、
確かに僕たちの演劇での環境は、稽古期間の日数だけ、新しいアイデアや感情が生まれる可能性があるわけです。
なるほどね。
探しつづけようじゃないか。最高に面白いものを。

そんな真面目なことを思っていたら、また「よ~いの、ほい」という掛け声が聞こえてきました。

僕は映像には登場しないのですが、あの人があんなことやこんなことをしています。
出来上がりが凄く楽しみですね。

こんな緑色一面の風景を見ながら、
三上マスクがここに立てば、きっと緑色の部分だけが消えるんだろうなーとか全くくだらないことを妄想してしまったのでした。

小沢道成