そんなわけで、二回目のブログの順番が回ってきました。鴻上です。
いよいよ、初日が迫ってきました。稽古場もバタバタしています。虚構の劇団は劇団と自分で言ってるぐらいですから、劇団です。
つまりは、劇団所属の俳優もいれば、劇団所属の演出部、つまりはスタッフもいるということです。プロの演出部もお願いしていますが(そうしないと公演が成立しないからです)、でも、まだ海のモノとも山のモノとも分からない若いスタッフが必死になって、小道具やらなにやらを作っています。演出家志望だったり、劇作家志望だったりする若者達です。
僕は昔から、プロとアマチュアが一緒に仕事をするシステムをとってきました。第三舞台の時も、バリバリのプロのスタッフと、素人の大学生が一緒に働きました。その中で、ちゃんとプロの演出家、プロの脚本家、プロの舞台美術家が生まれました。演出家や作家になるためには、直接、「演劇」というシステムと接するしかないと思っているからです。
と、文章で言うのは簡単なんですが、裏方を続けるのはなかなかしんどいものです。俳優は、どんなに苦労しても舞台に出られます。そこで拍手をもらえば、苦労もすこしは報われます。が、演出部、スタッフはしこしこと、直接拍手をもらうことなく、作品を支える仕事を続けるのです。じつに大変な仕事です。
みんな、夢がかなって、プロの演出家とかプロの脚本家とかプロの舞台スタッフとかなれたらいいなと、いつも僕は若者の背中を見ながら思います。
演出部の背中
次の写真は、よく分からない写真を撮る二人。たぶん、大人の方が「一緒に写真を撮ろう」と言ったんじゃないかと思えます。晶がリクエストしたのかもしれません。間違いなく、龍太朗が言い出したはずがない、と思います。