「天使は瞳を閉じて」30

★第12回公演/天使は瞳を閉じて 虚構の稽古場Blog 2016年8月2日

こんにちは、こんばんは、小沢道成です。

今日は、稽古前にキャスト10人と演出の鴻上さんとで円になり、それぞれの役のプラスなところ・マイナスなところを皆で話しました。
これはいつも鴻上さんがやることで、周りから見た私の役の印象を皆が言ってくれるので、意外な発言があったり、再確認できたり、と実に面白い時間なのです。
もちろん、この1ヶ月役と向き合ってきた俳優にとっては、愛する役のマイナス面を言われたりすると、まるで自分のマイナス面を言われているような気になったりもするわけで、なんとも複雑な気持ちになることもあります。傷つきもします。
それでも周りからの言葉によって、なるほどそう見えているのか、ならばもうちょっとその要素を強くしてみようかとか、様々な発見があるので僕は大好きな時間です。

 

 

 

 

 

 

 

鴻上さんは稽古場で「役は、自分の人生の可能性のひとつ」だと言います。

 

 

 

 

 

 

もし、私の人生で巻き起こる感情が、役の感情に使えるのなら、思う存分使えばいい。それがきっと、私と役がつくりあげる誰にも真似できない私だけの役に変わるだろうから。
だから、例えば今日の時間、役のマイナス面を言われ傷ついたことが少しでもあるのなら、それは私の人生を使って役が生きてることだから、むしろ喜んでいいことなんだろうなとも思うわけです。

容赦なく襲いかかる、僕の日常での感情は実に激しいもので、たった2時間の間で描かれる役の人生よりも、よっぽど激しいものかもしれません。泣いたり怒ったり笑ったり、より感情が動くのは、いつも日常の方が多くなる。

この1カ月で、やっと〝私の感情〟よりも〝役の感情〟の方が動くようになってきた。それは周りを見ていてもそう。
2時間のなかで描かれる役の人生は、僕の日常に負けない激動な感情の連続になってきました。

〝私の感情〟よりも〝役の感情〟が超える時、それってすげーことだよなっていつも思う。そういう俳優さんを見ているとすげーなと思う。
今日なんて、見ていてゾクゾクした。

本気で命がけで傷つきに向かう俳優さんを見ていると、心から拍手したくなります。凄いなと思う。僕はそういう俳優になりたい。

 

 

 

 

 

 

 

今まで上演された『天使は瞳を閉じて』の中で今回を歴代No.1にします。
劇場でお待ちしています。

 

 

小沢道成