第9回公演/エゴ・サーチ

「エゴ・サーチ」12

第9回公演/エゴ・サーチ 2013年9月11日

こんにちわ。はじめまして。牧田哲也です。

僕は今回、なかなか筆が進まない小説家の役をやらせて頂くんですが、稽古中に鴻上さんの発案で、一回実際に物語を書いみて物語を書く難しさを体験してみたらどうかと提案して頂き、 稽古場ブログではありますが、ここで僕の作品を発表することとなりました。

いや~物語を書くのは本当に難しい。僕自信物語を書くのは初めてなんですが、大した文字数ではないのに、書き進まないときは脳みそが何度も痛くなりました(笑)

今回の役は主にある女性の恋愛の話を書くというものなので、僕も恋愛もの、恋愛に悩む女性の話を書いてみようと思い、いろんな人の話を参考にしたり、もちろん自分の考えも入れたりして書きました。

途中なにが言いたいのかよくわからないくて全然書けなかった時もあったし、こんな流れで読んでる人は理解できるのか、どうまとめたらいいのかとか、それなりに悩みました。これが役作りに繋がるといいな。

下手くそな文章ですが、問題は物語の質ではなく、書くことに意味があるんです!!

なので時間がある人だけが読んで下さい。(笑)

いろいろと宜しくお願いしますm(__)m

 

『強くなりたい』

 

「わたしより先に死なないでね。」

こんな言葉を恋人に掛けたのは生まれて初めてだった。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。今思い返すとバカバカしすぎてその言葉を言えた自分に驚嘆する。

“来年のことを言えば鬼が笑う”

子どもの頃よく耳にしたけど、普通の感覚であればいつの話をしていたんだろう。鬼はきっと笑い転げていただろう。

でもその言葉を発した自分に後悔はないし、その瞬間のわたしは、ただただ彼を愛していた。絶対に失いたくなかった。失うことが恐かっただけなのだ。

どうしてこんなにも彼のことを好きになってしまったんだろう…

 

でもわたしたちはすれ違ってしまった。わたしは振られてしまったのだ。

 

好きだという気持ちが、失いたくないという気持ちが強すぎたのかもしれない。

友人に相談したらこんなことを言われたことがあった。

「恋愛は好きになった方が負けだよ。」

その時はそうなのかと納得した。

好きすぎて気持ちが抑えられない方が振り回されるし、完全に主導権を握られていた。じゃあ負けないためには何をすればいいのか。勝つためには、主導権を握るためにはどんな戦略を立てなければならないのか…

今より少し距離をとったら振り向いてくれるかな。そんなことも考えたりした。

だが時すでに遅し。どう足掻いても勝敗がつき始めた”戦い”を形勢逆転させるのは気が遠くなるほどに時間も労力も必要だった。

すぐに結果を求めてしまい、簡単に見透かされた。

「子供じゃないんだからさ」なんて言われた。状況は悪化するばかりだった。

 

でもさ、恋愛ってそういうものなの?

好きになった方が負けって、恋愛は勝ち負けなの?

勝つってなんなの?負けるってなんなの?負かしてなにを得るの?負けてなにが悪いの?

ふざけるな。勝ち負けを決めるために恋愛をしてるんじゃない。

ちゃんと向き合って、ちゃんと話し合ってお互いのダメなところをお互いが手と手を取り合って、例え乗り越えられなくても一緒に歩んで行くんじゃないの。

 

でも確実にわたしはこの恋愛においての敗者になったのだ。いや、敗者の気分を味わったのだ。

 

恋愛の難しさを改めて知った。

やっぱりこの人といて楽しい、幸せだと感じる瞬間が少しでもあれば、他がどんなに辛くてもその一瞬の幸せを追い求めて周りが見えなくなってしまう。

逆に言えば辛いことがあるからこそ、その一瞬の幸せが余計に幸せに感じてしまうんだろうか。

でもお互い愛し合ってはいても、その幸せと辛さを天秤に掛けたとき、どちらかの辛さが幸せより勝れば別れという決断が待っている。

 

生まれも育ちも性別も違う他人同士が一緒に歩んで行くにはすれ違いなんてたくさんある。泣いたり叫んだり喚いたり…

それでもただただ横にいられる喜びを感じられる人とこれからも出逢っていきたい。

 

このことを気付かせてくれた彼に出逢えたことをわたしは感謝している。


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