「エゴ・サーチ」22

第9回公演/エゴ・サーチ 虚構の稽古場Blog 2013年9月23日

そんなわけで、再演って意味あるなあと思っている鴻上です。

また、ブログの締切りを守れませんでした。そんなことはともかく、11人中5人が新しいメンバーということは、6人は前回と同じ役で出ている、ということです。

前回、たしか、晶を追い込んだ記憶があります。そもそも、キャッチボールの特訓のために、広場に出て、ボールを高く投げました。晶は、必死で取ろうとバックして、そのまま、後ろに転倒して、頭を打ちました。ものすごく僕を恨んだ目をしていました。

よーえいとカズキは、人間になりなさいと追い込みました。おバカから人間になるために、いろいろと注文を出したら、二人は、頭から湯気を出していました。

みっちーは、体力をつけるように言いました。自分は食べてるっ!と主張していましたが、手足は針金みたいに細いままでした。

べーは、顔がどんどんおじさんになっていくから、若くなりなさいと注文しました。本人は、「一体、自分のどこがおじさんなんだっ!」と怒っていました。

さほは、よーえいとカズキの仲間になって、バカにならないようにと注文しました。さほは、ふふんと鼻で笑って僕の指示を無視しました。

それが、3年前のことです。3年たつと、みんな、成長しているのです。まあ、二十代は、成長が著しい時期なのでしょう。これが、四十代とかだとなかなか変わらないかもしれません。みんな、変わりました。それぞれが、ちゃんと階段を上がっています。
なんだか、しみじみしました。

ちょっと遊戯としての演技を試してみようかと思っています。真剣な部分と、遊戯でも現せられる、ある切実な感情の表現を追及してみようかと思っています。そこもまた、再演の意味だと思います。

写真は、べーの汗がハート型だといって興奮しながら写メを撮る人達と、実際にハート型の汗。
なんでしょう。ハート型の汗。うむむ。謎です。