アンダー・ザ・ロウズ 12

第6回公演/アンダー・ザ・ロウズ 2011年3月28日

鴻上です。お元気ですか?地震はどうでしたか?
最近は、思っていることをTwitterでつぶやくようになったので、ずいぶん、ストレスは減りました。
マスコミの地震報道、原発報道に対する違和感を、まさかネットで語れる時代が来るとは夢にも思いませんでした。

僕達は、自粛しません。公演を自粛することは、最も安易な方法だと思っています。
もちろん、この時期、何が正しくて、何が間違っているかなんて簡単には判断できません。
自粛、中止なさった方には、理由があるのだと思います。
ですが、『虚構の劇団』は、自粛しないことが最善の方法だと判断しています。

僕達が東京にいてできることは、日常を一歩一歩生きること。
焦らず、不安にならず、絶望することなく、日常の経済活動をすることだと思っているのです。

じつは、もし、この時期、4月公演の『アンダー・ザ・ロウズ』の稽古をしていなかったら、
たぶん、有志を募って避難所に芝居の慰問に行ってたのだろうと思っています。
阪神・淡路大震災を経験した方のブログを読んでいて、
「避難所で、水と食料とトイレが用意されたら、あとはすることがなくなった。
することが何もないと、思考はどんどんネガティブな方向に行った」という文章と出会いました。
たぶん、被災者の方で、同じ状態の方がいらっしゃると思います。子供達も。
なので、演劇人としては、じつは、この時期、稽古がなかったら、トラック一台で慰問に出発していたと思っているのです。

現実は、四月八日初日に向けて、ふうふう言ってますから、そんな余裕がないのですが、本心からそう思っています。

さて、初めての通しが終わりました。
課題満載で、これからひとつずつ、手を着けていきます。
ひとつずつ、焦らずくさらず舞い上がらず。

あなたの日常はどうですか?