そんなわけで、二回目のブログが回ってきました。鴻上です。
 今日は、三回目の通し。
 予定していた時間より、二分ほど長かったので、カットをし始める。
 芝居は何があっても、2時間を越えてはいけない、というのは、おいらのもはや宗教的信念です。芝居を書き・作り始めた22歳の時から、なにがあっても、2時間を越えないという信念で創ってきました。
 なので、初日が近づくと、俳優さんたちにものすごく細かいカットをお願いすることになります。申し訳ないことです。
 昔、長野里美が、「『ちょっと長いのでカットします~』という声を聞くと、第三舞台に帰ってきた、と思う」となにかのエッセーで書いていましたが、虚構のメンバーにも、同じ苦しみ(汗)を経験してもらうことになります。
 返す返すも申し訳ないことです。
 でも、傑作を創るためですから。
こういう時、劇団はすごいと思います。
 プロデュース公演で、初めての人だと、いきなり、「長いセリフの真ん中の一行だけをカットします」、なんてことを言うと大変なことになることもあるのです。でも、劇団だと、話が早い。それが劇団が創造的な仕事ができる理由だと思います。
写真は、一輝。山崎の個人ブログで「美男子にして、阿呆」と簡潔に書かれた男です。
 休憩中に、自分のセリフを言っては、僕の顔を直視します。無言で感想を求めているのです。
 「なんだよ?」と言うと、「今の感じ、どうですか?」というので、「そんなの聞いてなかったよ」と言うと「聞いてくださいよ」と素直に返ってきます。
なんなんでしょ。
 この前は、稽古前に突然、セリフを言い出し、言い終わったあと「今のどうですか?」と聞くので、「まだ稽古前だぞ」と言うと、「いいじゃないですか。二人しかいないんだから」と言いました。
 理由がつながってないですね。
今日は、「このセリフ、間をあけないで一気に言った方がいいんですか?」と突然聞くので、「一気に言えるの?」と聞くと「いえ、言えません」とナチュラルに答えてました。
会話になってない、ということに本人は気付いてない。

 
		
        




