監視カメラが忘れたアリア  11

第4回公演/監視カメラが忘れたアリア 2010年1月20日

ー 何事!? ー

鴻)おい!おい!誰だ!?
クライマックスのシーン稽古が一段落つき、束の間休息。
それを突然打ち破ったのは鴻上氏のけたたましい声だった。

鴻)おい、誰なんだ!?
稽古場のドアを勢いよく開けて入って来たかと思うと、また廊下へと戻っていく。
尋常じゃない。何か事件か?
一瞬で稽古場が張り詰める・・・

出演者、スタッフ共に張り詰めた緊張に体が軋む。
(・・・どうした?何があったんだ?)
みんな顔を見合わせる。杉浦と俺の顔が青ざめていく。
おそらく鴻上氏の声に反射的に反応したのだろう。
が、俺を含めみんな心当たりがないといった感じ。
と、その時再び勢いよく鴻上氏が稽古場に入って来た!

鴻)べー!!べー!!
杉浦が一瞬安堵の顔をみせる。
べー・・・渡辺か。あいつ何かやらかしたのかぁ!?
まずいぞ・・・せっかくいいペースで稽古が進んでいたのに!

渡辺の表情が一瞬強張る。

渡)えっ・・・なんですか?

鴻)おまえ、どこで手に入れたんだ!?
元祖ボール!!

(渡+全員)・・・?

渡)・・・元祖ボール?

鴻)これは俺が一番好きな菓子なんだ!でも関東には売ってないはずだ!!
どこで手に入れた!!?

渡)え・・・いや。

鴻)どこだ!?

渡)東急ストアで・・・。

鴻)何!?東急ストア!!?マジで!?え、本当に!?東急で売ってんのかよ!

渡)は、はい。

鴻)・・・これうまいんだよ。カロリー高いけど。
東急かぁ・・・やるなぁ東急!!

全)・・・え?それだけ?
その後も鴻上氏は若干興奮気味で、
未だ顔が引きつったままの渡辺に元祖ボールについて熱く語っていた。

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そんな、稽古場です。

鴻)さぁ、稽古再開するぞぉ~

以上、三上陽永がお伝えしました。多少の脚色はありますが、実際の話です。


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